うつ病をこえて その5  メンタルセッション #2-#3

第2回目と3回目のセッションの間も、僕はインカンテーションの他に、ワークを行っていた。

 

内容は「日常振り返りワーク」。

 

基本的にはそれまでやっていたワークの感情日記に近いのだが、その発展型だった。

 

それまではネガティブな感情を感じただけでよかったけれど、もうちょっと深く進めてみる。

ネガティブな感情は突き詰めると「怖い」「悲しい」「寂しい」のどれかに集約する。

 

この3つのどの感情が、今回のネガティブの根底にあるかを、また自分で感じる。

 

ネガティブな感情を感じている自分を許した上で、「そう感じたのは過去のなにかと結びついているのか?」と考える。

 

そこから自分を制限しているビリーフを見つけ出し、新しいビリーフ(僕の場合は「無条件に価値がある」と入れ替える。

 

簡単にいうとこんな流れだ。

 

初めてこのワークの説明を聞いた時は、正直なところ「そんなに今までのワークと変わった気がしないけど、、、もうだいぶ感情感じらてるし。」と思った。

 

ところがだ。

 

このワークを始めて数日後、ある夜に僕にとって大事件が起こった。

 

感情が止まらない

その夜はコーチとメッセージのやりとりをしながら、自分を制限しているビリーフを書き出していた。

 

それまで通り書き出していたつもりだったのに、この日は「寂しい」「悲しい」の感情が止まらない。

 

今までの人生での出来事が走馬灯のようにどんどん浮かんできくる。

 

現在の生活においての問題点も、うつ病であることも、全部含めてすべてのネガティブがつながっていってしまう。

 

今まで忘れていたネガティブもどんどん思い出す。

 

物心ついたときから、大人になったいままでの、あれもこれもそれも、自分や他人の言動もどんどん思い出してしまって止まらない。

 

そして、それらのすべてが強いネガティブ感情を伴っている。感情にフタをしてとりあえず感じないようにすることもできない。

 

しまいには「子どもの頃の自分に声をかける資格なんて自分にはない。もう幸せなんてわからない。この先もなれるはずがない」と。

 

ここまであっという間に思考していた。そしていつの間にか泣いていた。

 

そんなパニック状態の中、ふとあることに気がついた。

 

これが「本当の感情を感じるって状態か?」

 

すぐにコーチにメッセージを送った。

 

「感受性が高まっている状態です。今がチャンスかもしれません。」

 

コーチはすぐに反応してくれた。

 

「今感じている、制限しているビリーフはすべて幻です。だって、それを信じていてもうまくいかなかったじゃないですか。『これらのビリーフはすべて捨てる!自分の価値は自分で決める!誰にも決めさせない!』と言って下さい。」

 

「言えた!!」

 

デトックスの終わり

その言葉を言ったあと、僕は急に気持ちが楽になって、いろいろなことがよく見えてくる感覚があった。

 

そこにはネガティブはもうなかった。

 

ただただ清々しくて、世界が明るく見えて、その日は微笑みが止まらなかった。

 

僕はコーチの手助けを借りて、この時、ようやく「ネガティブのデトックス」が本当に終わった。

 

今思えば、この瞬間があったからこそ、僕の5年におよぶ「うつ病」はなくなったのだ。

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cotaka

cotaka

生まれてから20年は千葉、その次の20年は札幌に住んでいました。そして2年前からは埼玉に。 読書が子どもの頃からとても好きで、本を読めない時間が続くとちょっとそわそわします。 他には、星野源さんの創り出すもの、満島ひかりさんや高橋一生さんの演技、美味しいものとコーヒーが大好きです。詳しいプロフィールはこちら

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