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「医者の私が薬を使わず『うつ』を消し去った20の習慣 宮島賢也」

こんばんは。cotakaです。

珍しく1日2本目の書評です。書評ブログですが。

 

今回は「医者の私が薬を使わず『うつ』を消し去った20の習慣 宮島賢也」です。

 

著者の宮島賢也さんは精神科医でもあり、うつ病経験者でもある方です。あの「ウツぬけ」で作者の田中圭一さんを救った本の著者でもあります。

 

「薬を使わず」とは書いてありますが、精神科医の先生が著者なこともあって、薬を使うことを全否定しているような、いわゆる民間療法の紹介本とは違います。

 

だから、うつ病を治してくれる「魔法のようなもの」を探している方には、この本は向いていないと思います。

 

この本は、うつ病は薬「だけ」では治らないと教えてくれる本です。

 

「うつ病」は治ってきたと思えば、急に調子が悪くなったりすることもあり、なかなか自分の快方具合がわかりにくい病気です。そうなると、薬や精神科の先生を批判した記事や、本が目に止まることも多くなったりして、つい「薬=悪」みたいな気分になる気持ちはよくわかります。

 

僕自身も、あまりに薬を飲むことに慣れてしまっている自分に気づき、いまだに怖くなることがたまにあります。

 

ブログを始めてからは好調の時間が長くなりましたが、「いつ悪化するかもわからないから怖い」という気持ちはいつも持っています。

 

そういう「なんとなく悪化するかもという恐れ」を持っている人や、「薬をお医者さんにもらっているけれど、自分でもなにかできることはないか?」と思っている人には良書だと思います。

 

この本に出会ったのも、自分が入院中のことでした。その時は、「病気をなんとかしたい」という気持ちから一生懸命読みました。

 

今、読み返してみると書いてある習慣の数々は、ごく普通の、今日からできる習慣ばかり書いてあります。言い換えれば「当たり前」と思えることも書いてあります。

 

でも、病気の時にはそんな「当たり前のこと」がわからなくなっているので、もし本が読める状態なら、こういう本を読むことで「当たり前のこと」を思い出すきっかけにもなります。

 

実際に僕も、「習慣1 『相手は変えられない』ことを受け入れる」というのを読んで、「ああ、そうだったのかぁ」と初めて気づきました。そして、退院後に異動を本社に申し出たのです。

 

薬は飲んでいても構わないと僕は思います。むしろ薬を飲んだほうがいい場合も多々あると思います。だって脳の伝達物質の異常なんですから。時には命も奪う「病気」なんですから。

 

ただ、「薬だけ」では治らない。

 

そのことを「今」はよくわかります。

 

自分の周りに「うつ病」の方がいて、「何かしたいけど、どういう風にしてあげたらいいのか、お医者さんじゃないからわからない。」という方にも良い本だと思います。難しい医学用語なんて出てきませんから、安心してください。

 

医者の私が薬を使わず『うつ』を消し去った20の習慣 宮島賢也

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cotaka

生まれてから20年は千葉、その次の20年は札幌に住んでいました。そして2年前からは埼玉に。 読書が子どもの頃からとても好きで、本を読めない時間が続くとちょっとそわそわします。 他には、星野源さんの創り出すもの、満島ひかりさんや高橋一生さんの演技、美味しいものとコーヒーが大好きです。詳しいプロフィールはこちら
cotaka: 生まれてから20年は千葉、その次の20年は札幌に住んでいました。そして2年前からは埼玉に。 読書が子どもの頃からとても好きで、本を読めない時間が続くとちょっとそわそわします。 他には、星野源さんの創り出すもの、満島ひかりさんや高橋一生さんの演技、美味しいものとコーヒーが大好きです。詳しいプロフィールはこちら
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